タイトルに「エルザ」とある通り、エルザ視点で書かれたFM4のノベル、その下巻。バッサウ市出撃からE.C.議会場防衛まで描かれ、ザーフトラの謀略に関する証拠収集の作戦が展開される。後半部はストーリーのテンポが速すぎて、淡白な印象を受ける。
グレーザーは上巻での登場以後、十分な存在感があるのだが、反面ヴァグナーが霞んでしまっている。一方で、デュランダル対ザーフトラというストーリーの確信が明らかになってからの、ラトーナの葛藤はゲーム本編よりもよくできている。ベネズエラサイドのキャラはダリルのみが登場し、ルイス、イワノヴナらの脇役はその名前すら出てこない。
読み物としての完成度はともかくとして、「交戦して」を「つっこんで」、「廃棄確定」を「それっきり」などの常軌を逸したルビが物語を貶めている気がしてならない。
著者:秋津透
カバーイラスト:直良 有祐
2004年9月24日発売(2004年10月15日発行)
288頁/小B6判
980円
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