西暦2064年。地域紛争と政変が頻発する戦乱の時代にあって、その収拾・鎮圧の最後の切り札となるのは、要請に基づき世界の紛争各地へと武力派兵を行う組織「カーネルライト協会」であった。時代が求めた影の英雄―戦場をヴァンツーで駆け抜け、類希なる戦闘能力を発揮する彼ら「傭兵」たちは、そのあざやかな任務遂行の姿とは裏腹に、鋼の装甲に過去の人生までをも閉ざして戦い続けていた。はたして、何が彼らを「傭兵」にさせたのか? 本書は、そんな傭兵たちの姿を描いた物語である。人気SFCゲーム『ガンハザード』の小説化!
 
上の文はカバーにある紹介文。9割はオリジナルストーリー。というよりは、ルヴェンがアルベルトに出会う前のスパイ活動、アルベルトとレロスの訓練生時代などのサイドストーリー。ゲーム本編との矛盾点もなく、前作の小説とは比較にならないほどよくできており、世界観に共感を持つ人であれば、ゲームを知らなくても楽しめるかもしれない。入手は難しいがお勧めである。
6点の挿絵は[コミック・フロントミッション]にも参加している松田大秀。残念なことに、表紙の右上にものすごく小さなロゴがある以外は「フロントミッション」シリーズの一作品であることを示すものはなにもない。

山口宏/著
アスペクトノベルズ
880円(本体価格854円)
1996年6月7日