フォースのカラクリ
 
(2004.1.24)
 
1stとは違った意味で推理のヒントになるものが少なく(1stは黒幕にあたる人物が出てきませんが、4thでは中途半端に登場)、人によって解釈にかなりばらつきがあるようです。無節操なやりとりはできるだけなくしたいので、僭越ながら博多なりの考察と推測をまとめてみました。反論・事実解明の叩き台になれば。
(エンターブレイン刊の[パーフェクトガイド]で真相が明らかになっている項目もあるが、ここではその発刊以前に博多独自の考えをそのまま掲載してある)

■ザーフトラの長城要塞(M23)で登場のデムチェンコは何者か?
居場所・容姿・言葉遣いを考慮すると「グレーザーと同等、もしくはそれ以上の地位にあるザーフトラ政府高官」であろう。グレーザーの作戦を知っていたようだが、彼の発案であるかは定かでない。少ないセリフだけではデムチェンコの重要性は伝わってこないが、わざわざ名前と顔付きで登場させたからには重要な意味があると見るべきで、極論では彼こそがザーフトラの大統領で、すべての指示を下したともいえる。


■ザーフトラが意図していた作戦とグレーザーの独走による作戦の目的・境目は?
ザーフトラは資源危機による輸出再開を望んでいた。グレーザーは自分の指揮能力に陶酔し明確な目的を失っていた。あえて言えば、自分の戦略・作戦立案能力を証明するため、特に関係の悪くなかったEC・USNを開戦に踏み切らせることを企んでいた。このようにザーフトラとグレーザーの目的は異なるため、両者の考える戦略もことなるはず。以降は話を簡略にするため「デュランダルやダリルがこのストーリーに関わらなかった場合、世界はどうなっていたか」を予測して、両者の考え・作戦を明確にわけてみる。簡単にいえば、グレーザーがザーフトラの思惑よりも「自分の欲求」を優先させ始めたのはどの段階かということである。

ザーフトラはECに資源危機を起こすため、資源地帯を襲撃するようグレーザーに指示。これを受けたグレーザーは作戦を立案実行し、ドイツ基地襲撃で陸路を確保して、資源地帯を壊滅させる。仕上げに、襲撃事件の調査責任者の地位を利用してEC議会にUSN犯行説を訴え、ザーフトラは資源輸出の用意があることをECに伝える。この時点でECとUSNの関係は冷え切っており、資源輸入先がザーフトラとなるのは確定的であるし、ECが資源枯渇前にザーフトラとの資源貿易を再開するのも間違いない。つまり、ザーフトラの計画は完遂したことになる。しかし、作戦にグレーザーの政治家不信や指揮官として自己陶酔するという別の意図が介在していたため、作戦はここで完了しない。

グレーザーには、USNをEC本土に攻め込ませようという目論見があった。「戦争させよう」でなく「本土に攻め込ませよう」としているのは、単に戦争をさせたいのなら、そのまま両軍をマデイラ島で引き合わせてしまえばよいわけであるし、わざわざイベリアメガフロートを破壊してEC艦隊の動きは制限したのは、何か狙いがあると考えるべきである(ここでは巡航ミサイルならほかの基地からでも発射できるとする)。USN艦隊の進軍をマデイラで終わらせないため、ゼーマン部隊が艦艇攻撃で追い討ちをかけて、EC本土に進ませる。さらに、ベネズエラに派遣されていたザーフトラの全軍がEC議会場を襲撃。ECには大ピンチが訪れ、政治家や軍人の真価が問われる。つまり、イベリア基地襲撃作戦以降は、グレーザーが独自の判断で開戦に導かせる作戦を行っていた。


■ドイツ政府はザーフトラと共謀していたのか?
ドイツ首相の承認の下でことが行われたかは判断しかねるが、一部の役人や軍が密輸を取り仕切っていた可能性はある。パイプラインはそれなりの規模があり、稼動させれば今までなかったはずの、バッサウのターミナルから各倉庫・工場間の搬送が活発になり発覚しやすいにもかかわらず、ハーミーズがハッキングまでしないとわからないということは、組織的な隠蔽が行われていたのかもしれない。ただし、出荷量の記録は改竄されていない不完全な情報工作は、国家レベルのそれであることを否定している。


■ベネズエラにザーフトラ軍を送り込んだ理由は?
ベネズエラ州内にあるVTOL発着施設を利用するため。イワノヴナはグレーザーの指示の下で動き、時が来るまで州内の拠点を保持するためUSN・公正ベネズエラと交戦。USN艦隊がEC本土に接近しECとにらみ合いになったころ、EC側の反撃を促すため、州内のザーフトラ軍全部隊がディアズの意向とは関係なく南米を離れて、パリ議会場を襲撃。EC・USN軍を全面的な戦争に突入させる。また独立騒ぎでUSN軍の戦力分散させる効果もある。注意したいのは、ザーフトラ犯行説が濃厚になった段階でEC議会場を襲撃したのは、グレーザーとの連絡がつかずECの状況もわからないのに、イワノヴナが勝手な判断で部隊をパリに送ったということ。グレーザーは作戦失敗時には議会場襲撃は中止するという通達を下していたが、イワノヴナはそれを無視して暴走したというのが真相である。


■ディアズがベネズエラ独立を宣言した真意は?
ルイスたちの話では、噂であるとしながらも「ディアズが州民からかき集めた財産をUSN中央政府に取り上げられそうになったから」と言っている。ゲーム本編やガイドブックなどでベネズエラの情勢(USNとの関係や経済が石油に依存していることなど)が説明されないので、設定に忠実に従った推測には限界があり、現状では噂の通りディアズの私情で独立をしたとしかいえない。もし、独立できたとしても、その後の政治・経済・治安が安定するという保証はないので、大きなリスクを負うからには、ディアズにはなにかもっと野望があったとしたいのだが。このディアズといい、戦争したがりのドイツ首相といい、考えた足らずである。もっとしぶとくて狡猾で利口な人間にしないと、彼らがなぜそこまで高い地位にいるのか説得力がない。


■ベネズエラ独立はグレーザーに利益をもたらすのか?

グレーザーにとって独立の成功は優先順位として低く、何がなんでも独立させたいとは考えていない。時がきたらディアズの考えなどお構いなしに、イワノヴナもバビロフもザーフトラの全部隊はベネズエラから引き上げて、EC議会場を襲撃していただろう。しかし、彼は気になることを言っている。「(ECへの資源輸出で得られる)あの程度のカネなど必要ない」と。「カネなどいらない」とせず「あの程度カネ」と限定的に述べている点に注目したい。2096年の石油の重要性は不明だが、もし現状とそうかわらないのであれば、万が一、ベネズエラが独立後に輸出を停止すればUSNは他国、たとえばザーフトラなどからの輸入を考えなければならないし、ベネズエラが輸出を続けたとしてもグレーザーの息がかかった政府は、利益の一部(大部分)をザーフトラに吸い取られる。石油で得られる莫大な利益は「あの程度のカネ」ではない。


■USN中央政府が公正ベネズエラを擁護したのはなぜか?

(公正ベネズエラが押さえている首都へのUSN軍進攻を中止するようマリアがドナルド大佐に伝えている)
中央政府の後押しで州知事となったディアズだが、結果的に独立を宣言し中央に反抗。中央政府はディアズを危険因子と判断し、彼との関係に見切りをつけたかった。そこで、州内の有力組織である公正ベネズエラに白羽の矢が立つ。反政府組織ではあるが、マリアの侵入により組織内部の情報と動向は把握済みで、若干ではあるがコントロールも望める状態にある。私利私欲を追求するディアズの圧政よりはまし、と中央政府のハト派が考えていたのかもしれない。


■ダリルたちのその後は?

2500万ドルのうち半分はルイスの手に渡っているので残り1250万ドル。3人の力関係からして500:500:250(多い?)くらいの分け前になるか。高飛びといえば南米が思い浮かぶが彼らの地元ともいえるので、USNの手が及びにくい東南アジアやオーストラリアのリゾート地にでも落ち着くだろう。4thとして起承転結つけるならマデイラ島もいい。チェイファーは孤児院に寄付とか、人助けに使いそうな気もする。