ベネズエラ政変




ルイス・ペレス(Luis Perez*)
2076年生まれ?(2096年/20歳)。公正ベネズエラの前リーダーから後継者として任命を受け、リーダー死亡により新リーダーとなった。WAPコード:Tierra(ティエラ、大地・地球)。

カルボ(Calvo)
公正ベネズエラのカラカス地区前リーダー。公正ベネズエラ成立前に多数あった反政府組織ではリーダー。ルイスの思想に賛同し、組織を統合させた。公正ベネズエラでルイスの副官にあたる地位に就く。2096年、U.S.N.軍によるカラカス攻略戦で死亡?

“難民村”
州知事に財産を奪われた人々、政治犯として町から追われた人々によるグアリコ地方?の集落。公正ベネズエラの活動拠点のひとつとなっている。

カール・サモンド(Carl* Thammond)
2046年生まれ?(2096年/50歳)。第1次ハフマン紛争時にUSN義勇兵として参戦。その初期に戦果を上げ多くの受勲さらるが、紛争による被害の惨状を目の当たりにし戦線から退いた。その後、巡回教師となり、10年後ベネズエラに定住。難民村で教鞭をとっている。反政府活動にも参加。WAPコード:Abominator(アボミネーター、厭世家)。

イネス・トーレス(Ines Torres*)
公正ベネズエラリーダー・ルイスの恋人で、自身もメンバー。公私でルイスを支える影の功労者でもある。 WAPコード:Guaria(グアリア、蘭)

イワノヴナ
(Ivanovna、Ивановна?)

2074年生まれ?(2096年/22歳)。ザーフトラ軍大佐。ヴェリキエルーキ近郊の小都市出身。公務員の両親。20歳で大尉となり、特殊部隊の副官に着任。同部隊長の死亡のより隊長、少佐に昇格。異例の昇級について詳細は不明。2096年、ドイツ軍グレーザー将軍の指示により?、特殊部隊を率いてベネズエラ州軍に加担し、U.S.N.軍や公正ベネズエラと交戦。クマナ港で死亡?。

バビロフ(Vavilov、Вавилов?)
ザーフトラ軍少佐。イワノヴナの部下で特殊部隊所属。2096年、公正ベネズエラとの戦闘で死亡。

マリア・パレデス(Maria Paredes)
USN情報部員として、公正ベネズエラを監視。詳細は[ブラックハウンド]参照。

ダリル・トラウベル(Darril Traubel*)
USN陸軍志願採用兵として18歳で入隊。若くして下士官に昇格、突撃小隊へ。第2次ハフマン紛争では激戦地帯でのゲリラ戦で多大な戦績を上げた。戦績が評価され南米各国の治安維持部隊に配属。上官との不和で士官への昇級制度を辞退。軍曹、陸軍332機動中隊第5分隊隊長 として、ベネズエラ州後方哨戒などを務める中、 金塊横領事件に関与。国外に逃亡か? WAPコード:Infernal(インファナル、地獄・冥界)。

ビリー・レンゲス(Billy* Renges)
USN西部の貧民層の村出身。18歳で志願採用兵入隊。優秀なヴァンツァースナイパー。ダリルとは第2次ハフマン紛争で出会っている。南米の事件でダリルと同じ考えに至り、軍への執着を失った。軍物資の横流しという“副業”では、密輸業者「ビチュウ海運」のチャンと深いパイプを持つ。ベネズエラ州後方哨戒などを務める中、 金塊横領事件に関与。国外に逃亡か? WAPコード:Mundane(マンデン、現世・俗界)。

フィリップ・チェイファー(Phillip* Chaeffer)
19歳で志願採用兵として入隊。ヴァンツァーパイロットとして実戦任務に就くが、評価が得られず後方の修理部隊に配置転換された。ベネズエラ州後方哨戒などを務める中、 金塊横領事件に関与。国外に逃亡か? WAPコード:Celestial(セレスティアル、神聖・天国)。
 
 
2096年、ザーフトラ共和国から極秘に武力増強を得たベネズエラ州知事ディアズ・ブルーノがU.S.N.からの同州独立を宣言。U.S.N.軍は州都カラカスに進軍したが、ザーフトラ軍部隊の参戦を得た州軍はこれを阻止した。しかし、公正ベネズエラ(以下V.F.A.)が混乱に乗じて州知事の身柄確保に成功。V.F.A.は州知事に独立宣言の撤回と政権譲渡を求めた。州知事は独立宣言を取り下げ、辞任。公正ベネズエラ党が政権に就いた。
 
     
   
     
 
●地図上の「難民村」「州軍機墜落現場」「ザーフトラ軍拠点」は推定地点で参考程度のもの。なじみの薄い地域であるので、距離感を補うため左にピンクの線にて同縮尺の日本地図を載せておいた。カーゴレールはカラカス・クマナ間の約350kmを30分で結んでいるが、難民村とカラカス距離を考えるとルイスらの行軍は決して簡単ではない。途中には難民村のような支持者が点在し、彼らをバックアップしているのかもしれない。
●上掲の地図上、左下の「コロンビア」の文字。この西方・アンデス山麓には1stのUSNサイド序盤で登場した「自由の星」の拠点がある。公正ベネズエラがもとはUSN中央政府と戦う組織であったことを考えれば、両者に何らかの関連があるのか。
 
     
 
2096年、ベネズエラ州知事ディアズ・ブルーノがUSNからの同州独立を宣言。USN中央政府は陸軍332機動中隊(ドナルド大佐)を派遣を決定し、解決手段に武力を用いる姿勢をあらわにした。ブルーノ州知事は、これを受け、独立はUSNの圧制に耐えてきた州民の総意によるものであると抗戦の決意を示した。

この独立宣言前、ザーフトラ共和国はブルーノ知事と極秘に接触し、2500万ドル?と引き換えに独立を支援する部隊派遣を提案。州知事はこれを了承し、ジウークなど大型機動兵器を含むヴァンツァーを中心とする?部隊(イワノヴナ大佐)によって州軍の戦力増強を図った。

公正ベネズエラ(以下V.F.A.)は、クーデターがUSN軍に鎮圧された場合、中央政府の影響力が強化され、さらなる圧制が敷かれることを懸念。動きの活発化したV.F.A.は、USN軍のカラカス攻略による混乱の隙をついて、知事官邸で州軍の指揮をとるブルーノ州知事の身柄を確保した。両軍の戦闘は、ザーフトラ軍部隊の働きにより州軍が攻勢となり、USN軍は一時退却。ザーフトラ部隊はブルーノ州知事が不在にも関わらず、州知事の声明として、USN軍に対し徹底抗戦すると発表した。

V.F.A.は一度カラカスから散開。今後脅威となるであろう南部山中のザーフトラ軍拠点を強襲し、無力化に成功。さらに、州知事にテレビを通じた政見放送を行わせるため、州軍とザーフトラ部隊のみとなったカラカス中心部へ進軍。州軍は州知事の戦闘停止命令に応じ撤退、ザーフトラ軍部隊はV.F.A.との交戦で撤退した。直後?、州知事は演説で、独立宣言の撤回、その責を負った辞任、公正ベネズエラ党への政権移譲を表明した。

USN軍はマデイラ危機の回避により、第2次カラカス攻略のための戦力拡充が可能となり進軍が予定されていたが、V.F.A.が対話による解決を求めたことや、V.F.A.に潜入していたUSN軍情報部(マリア・パレデス)により組織の動向が把握され、ある程度コントロールされていたことなどにより作戦は中止された。

ベネズエラ州内にいたザーフトラ部隊はドイツ軍に所属していたザーフトラ共和国スパイであるグレーザー准将の指揮下にあり、EC・USN間に軍事衝突が起こそうというグレーザーの計画に基づき潜入していた。このザーフトラ軍は、両陣営の衝突を不可避とするため、USN軍になりすましEC議会場を襲撃予定であったが、EC側の調査の結果により、今回の不和がザーフトラによる謀略であることが明らかとなり、EC・USN間の緊張は緩和、グレーザーの思惑は事実上失敗に終わった。グレーザーは、作戦失敗時にはベネズエラ州からのEC議会場襲撃を中止するよう下していたが、州内で部隊を率いていたザーフトラ軍大佐イワノヴナが独断で部隊の一部(ゼーマン中佐ら)の渡欧を決行。しかし、これは今回の一連の事件がザーフトラの陰謀であることを裏付けることとなり、戦力が落ちた状態での派兵であったため、襲撃部隊はイギリス軍、デュランダルとのパリ市街戦で阻止された。
 
     
 
 
公正ベネズエラ(Alianza de Libertad Venezelana)
 
 
州内で最大規模の反政府組織。U.S.N.中央政府の圧制や南米地域を軽視する政策に対抗していたが、後にUSN成立以前からの反政府組織が統合し弾圧政策を進めるブルーノ州知事の追放を求める組織として公正ベネズエラが成立。当時のリーダーであった人物のカリスマ性と行動力によって組織は拡大した。2095年のリーダー死亡によりルイスが組織を受け継いだ。2096年、州知事の独立宣言による混乱の中、公正ベネズエラ党として政権を奪取。州自治の確立に向け中央政府との対話が続けられている。
拠点1個所につき100〜2000人を超える人員がおり、全体では15000〜20000人といわれる。統合以前のリーダーが地域の幹部として、州内各所の拠点統制を図っている。各拠点は民家同様の小規模なものであるが、組織化・細分化かつ統率された武装集団を持ち、南米諸国出身の巡回武器商人との緊密な関係により勢力を保持。ヴァンツァー・戦闘車両が約200両で、輸送車両が不足のためヴァンツァーによる移動も多い。航空機・ヘリコプターなどは持たない。
 
     
 
ディアズ・ブルーノ
 
 
2096年時のU.S.N.ベネズエラ州知事。U.S.N.中央政府追従の政策を行うことで、その支持を取りつけ知事となった。麻薬カルテルやマフィアとの繋がりもある。
就任後、反USN派議員とその支援者や州民の逮捕・弾圧・財産の没収で私腹を肥やし、民意を軽視した政策を進めた。中央政府はこれを黙認。さらに、ブルーノは反政府勢力に対して武力で弾圧。ブルーノは州民から没収した財産(一説に隠し財産は1億ドル)に対する免税を中央政府に求めたが、これは認められず、逆に中央政府から政権交代の圧力をかけ始められる。ブルーノはこれに反発し州独立を画策。ザーフトラ共和国との内通で武力による支援を得、2096年にU.S.N.からの独立を宣言するも、公正ベネズエラとの抗戦で失脚した。
 
     
 
金塊横領事件
 
 
独立宣言後、ブルーノ州知事の隠し財産の一部とみられる金塊をアタバポに輸送中の州軍航空機をUSN空軍機が撃墜。州軍機はボリバル地方?の山中に墜落した。後方防衛任務により付近を巡回中のUSN陸軍第332機動中隊第5分隊所属のダリル・トローベル軍曹ら3名が、現場から金塊約3トン・2500万ドル相当(いずれも推定)を奪って逃走。U.S.N.軍は金塊横領の事実を把握していなかったが、州軍側は軍曹らの無線を傍受し追跡していた。金塊の輸送を指示したブルーノ州知事がギネラマ基地で指揮をとり、奪還を試みるが失敗。しかし、国外逃走の退路を断たれた軍曹らは公正ベネズエラと合流し、しばらく身を隠していた。この間、軍曹らは州内のザーフトラ軍拠点から、同軍がEC資源地帯襲撃犯であることを示す資料を奪い、デュランダルに提供している。ブルーノによる独立宣言撤回後、軍曹らはデュランダルの派遣した輸送機で国外へ脱出。以後の消息は不明。なお、金塊の約半分が公正ベネズエラに渡っている。
 
     
 
●各キャラの英名にある“ * ”はUS版からの引用である。日本語読みでのフルネーは、小説版を参考にした。
●日本語では“公正ベネズエラ”とされているが、マークにはスペイン語(現地名?)でAlianza de Libertad Venezelanaと書かれ、ダリルと始めて顔を合わせたルイスがスペイン語でこう名乗っている。直訳すると「ベネズエラ自由同盟」。ところで、ルイスは20歳にして一国の政権を握る党首となれるのか。サモンドあたりの年齢でないと、州民に若造扱いされ心理的に受け付けてもらえないのでなかろうか。
●「金塊横領事件」とはしているが、マリアの配慮で事が表立って取り立たされていないかもしれず、事件として扱うにはやや抵抗がある。真相を知るディアズが口外する可能性だが、これはダリルの言う通り、公にできるカネではないので心配無用。ヤケクソになったディアズがどうするかは定かではないが。